20歳のときに友達にギターを買う名目でお金を借りた。金額は10万円。利子などは付けずに、返すのはいつでもよいということだった。

 友達は割と気前よく貸してくれたが、これが災いの元であった。 実際の目的はギャンブル(競馬)で、その時はすでに周りが見えない状態で、のめりこんでしまっていた。 

ギャンブル(競馬)での結果は言うまでもなく惨敗で、友達の借金だけが残った感じだった。 


その後、度々「ギターのほうはうまくなったか」など言われるたびに、苦笑いと適当な言い訳で逃げていた。 それから、友達とあまり会わないようになり、ついにはお金を借りたまま、電話を解約して部屋を出て、親しい親戚の家に居候する状態になった。 

仕事などは親戚の紹介で運よく勤めることが出来た。フリーターからの脱却である。 友達との連絡を絶った状態だったが、それから4ヶ月して新宿のあるラーメン店で偶然に会ってしまった。 

うっかり忘れていたが、ここはよく友達との待ち合わせに使っていた場所だった。 友達は借金のことなど触れず、連絡が取れなくなって心配していたことを、力説していた。 

その時に、自分の身勝手な行動を恥じることになった。 そこで、初めて借金について本当のことを友達に話すことになった。 友達は借金のことはほとんど忘れており、もう、返さなくてもいいと言ってくれたが、自分のけじめとして返すことを約束して別れた。 

それから一ヵ月後に、10万と利子として1万を加えて返すことが出来た。 

生活費に食い込む金額であったが、返したことで気分が完全に晴れたことを今でも鮮明に覚えている。 

友達とは今でも仲が良い状態だが、もし、あのまま実家などに帰って連絡を完全に絶っていたら、お金よりも重要なものを無くしてしまったかもしれない。 

やはり返すべきものは返すのが、社会を生きていく上での要であると痛感した体験でした。